今日は、次のような方を対象に、自分が持っている日本語や母語の力を活用しながら教科の内容を学ぶのに役立つ教材を3つご紹介します。
・日本の学校で算数・数学を学ぶ、外国につながる子どもと、そのサポートに携わっている方
・外国で、日本語で算数・数学を学ぶ子どもと、そのサポートに携わっている方
1. eboard
シンプルな日本語で書かれた「やさしい字幕」がついた映像授業と、PDF問題集(「やさしい算数・やさしい数学」)、デジタルドリルを使って学習します。
それぞれの教材がカバーしている範囲は次の通りです。
・授業映像→小学校の算数、中学校の数学、高校の数学1
・「やさしい字幕」対応の映像授業→小学校の算数、中学校の数学
・「やさしい算数」→小学5・6年生の算数
・「やさしい数学」→中学校の数学
「やさしい算数・やさしい数学」は、こちらの「ダウンロードフォーム」から無料ダウンロードすることができます。
外国語版はありませんが、「やさしい算数・やさしい数学」の日本語は日常会話レベルの語彙と文法で書かれていて、教科の概念は図やイラストで視覚化されています。
そのため、日本語にたよらない学習スキル(比較して関連づける、推論するなど)も活用して取り組むことができます。
こんな人におすすめです。
・学校の授業は大体分かるがときどき説明が難しく、単語の意味がわからないことがある。
・日常会話は、ゆっくりであればできるようになってきたが、授業は話のスピードが速く、内容はまだなんとなくしかわからない。
次のような使い方はいかがでしょうか。
①単元を選び、「やさしい字幕」をつけて映像授業を見る。
②「やさしい算数・やさしい数学」の問題に取り組む。
(③もっと練習したい人は、デジタルドリルに取り組む。)
eboardはアカウントを発行しなくても無料で使うことができます。こちらからアカウントを発行すると、
学習記録をつけながら、勉強できますよ。
2.黒田先生と学ぶオンライン算数・数学コース
映像授業とPDFのワークブックを使って学習します。
コンテンツは、小学1年生から高校3年生までの内容をカバーしています。
映像授業は、8言語で見ることができます。
(日本語、韓国語、中国語、ベトナム語、フィリピン語、ポルトガル語、ウクライナ語、英語)
PDFのワークブックは、6言語あります。
(日本語、韓国語、中国語、英語、ポルトガル語、ベトナム語)
日本語版と多言語版で同じ内容を扱っているので、次のように、日本語と外国語とを照らし合わせながら使うことができます。
・日本語動画とワークブックで予習して、用語を知ったうえで集団授業に臨む。
・授業中に日本語で理解できなかったところの復習として、自分がよくわかる言語で何というか確認する。
こちらのコンテンツも、利用登録なしで無料で使うことができます。
3. 多文化多言語の子どものための教材
小学校の算数のうち、「足し算・引き算」「掛け算」「割り算」「分数」の単元に出てくる用語を学びながら、
スモールステップで算数の内容をつかんでいきます。
こちらはPDFをダウンロードするタイプの教材で、利用登録は必要ありません。
学年に関係なく、各単元の習熟度に応じて使うことができるよ。
この算数の教材は、ポルトガル語版、タガログ語/英語版、スペイン語版があります。
こちらはタガログ語/英語版のページです。「算数」のうち「分数」の教材を見てみます。
教材は「指導者用」と「児童用」に分かれています。
ポルトガル語版の「児童用」教材を見てみましょう。
次のように、用語を確認してから、例題を見、練習問題をするという構成になっていて、
理解できたかどうか確認しながら進めていくことができます。
教科の内容を学ぶための学習言語は、日常、家族や友だち、先生とおしゃべりするときの生活言語よりも習得に時間がかかると言われています。
この記事では、算数・数学の学習言語を日本語で理解する橋渡しとなるような動画やダウンロード教材を紹介しました。